19世紀末にデンマークで生まれ、常に独創的で革新的な作品を生み出しながら、一貫して人間、特に女性の心の真髄をフィルムで捉え続けた、世界映画史が誇る孤高の映画作家カール・テオドア・ドライヤー。 ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、イングマール・ベルイマンなどの巨匠たちからアルノー・デプレシャン、ギャスパー・ノエといった現代の先鋭たちにまで多大なる影響を与え世代を超え敬愛されています。
大戦が二度起き変革の渦中の時代にあっても粛々と映画制作に情熱を注ぎ、79年の生涯で長編14作品を発表。被写体を見つめ、モノクロームの世界を巧みに操り、新たな映画芸術の可能性を示し続けてきました。
そんな唯一無二の映画作家ドライヤーの特集第二弾が開催。2021年の開催時に上映された『裁かるゝジャンヌ』『奇跡』などの4作品に加え、画家の愛と死を耽美的に描いた無声時代の傑作『ミカエル』、世界で大ヒットとなったホームドラマ『あるじ』、そしてドライヤー初のサウンド映画である美しき幻惑のホラー『吸血鬼』の3作品を新たにラインナップ。映像表現のアプローチに多様な顔を持つドライヤー作品をとくとご堪能ください。